岡村ゼミ(服薬ケア研究所)ーコレステロールと脂質ラフトと細胞膜について

前回の報告から、2年も経ってしまいました。
岡村ゼミ(服薬ケア研究所)は、年に各地域で5回ほど開かれています。
今回は関西岡村ゼミが、兵庫県私学会館にて、9:30〜16:30。
これからは、自分の行動記録としても毎回記録していきたいです。

3月12日のテーマは
「Cholesterol, lipid rafts, and disease」
(The Journal of Clinical Investigation 2002 Sep.より)
という英語文献をみんなで訳すこと。

カベオラエンドサトーシスとウイルス侵入 
(野村隆士 藤田保健衛生大学 医学部・解剖学第一講座)
という日本語文献をみんなで読み合わせすること。

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①「コレステロールと脂質ラフトと病気」(Cholesterol, lipid rafts, and disease)

これは、ヒトの細胞膜のはたらきについての文献です。
ヒトは約60兆個の細胞でできています。
その細胞同士が、どうやって情報のやりとりをしているのか、どうやってこんな素晴らしい、難しい機能を果たしているのかについて、かなりいろんなことがわかってきています。細胞膜の中の脂質ラフトというところで、重要なやり取りが行なわれています。その中での、コレステロールの大切な役割もわかってきています。
なので、コレステロールって悪者扱いされてきた歴史がありますが、下げ過ぎは、要注意!納得しました。

とても大切な内容なので、私たちは約6ページのこの文献をみんなで読み解いた後、
日本語にまとめたものを作成予定です。こんなこと、一人ではぜーったいできませんが、先生と仲間がいるからこそできることです。
一部の優秀な人だけ、大学で研究しているような人だけができることだと思っていましたが、私たちにもちょっぴりでもかじることができて、感激です。世界が広がりました。

②「カベオラエンドサトーシスとウイルス侵入」

①の英語文献の内容 を理解するのに役立ちそうなので読んでみました。
カベオラって、聞いたことありますか。細胞膜上にあるたくさんの穴なんですが、ウイルスを中に取り込むのに利用されてるようなんです。改めて人体の不思議さ、素晴らしさに感動します。
最初は、こんなこと知る必要あるの?と思えたこともあったけど、興味は深まり、面白い!こんなことをなんとなくでも知っているのと知らないのとでは、
薬のはたらきの理解度が変わると思うし、患者さんへの説明も、説得力、わかりやすさに違いがでると思います。
学んでることが、日常の薬剤師としての仕事へ直接むすびつくようになってきて、ますますゼミへのモチベーションが高まってきました。

今回、先生のおっしゃったことで、心に残ったのは、

「知らないのに耐えることが大事」

文献は、専門家の方が、研究の内容を専門の方たち向けに報告したもので、私たちには難解な言葉も多数でてきます。最先端の内容でまだ確立していない内容もあります。
読み解こうとしてもわからない部分もあるけれど、そこにつまずいていたら、進めない。
わかった部分だけでサクサク前へ進むことが大切ということです。
いろいろわからないと、めげそうになりますが、全部理解できるなんてそれはおこがましいこと。
私たちが100%理解できるはずはない。そんなものです。それで十分なのです。そのまま進んでいくと、いつかは、あちこちが繋がって、気づいたら理解できるようになってるかも。

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この記事を書いた人

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。