ブックレビュー「江部康二の糖質制限革命」8〜脳血管疾患の予防効果〜

前々回と前回で、日本での死亡原因の第1〜3位について糖質制限食による予防効果をまとめました。

最後に、死亡原因第4位の脳血管疾患の糖質制限食による予防効果についてまとめます。

死因第4位の脳血管疾患の予防効果について。

脳血管疾患は3つの病気に分けて考えます。
①脳梗塞
②脳出血
③くも膜下出血

①脳梗塞の予防効果について
今日本でとても増えている病気です。脳の血管が詰まる病気ですから、心筋梗塞と同じで、糖質制限食によって高血糖がなくなり、脳血管の傷害が起こりにくくなり、脂質状況も良好になり、血流が良くなって、脳血管の動脈硬化の要因全てが改善されるので、脳梗塞のリスクが小さくなります。

②脳出血の予防効果について
脳出血は、脳の血管が破れて脳細胞が死にます。
脳出血については近年、脂肪を多く取る方が予防になることが分かってきました。
特に動物性タンパク質が効果的です。このことは、エビデンスがあります。

糖質制限食では、糖質を減らすために結果として脂質を多く摂取することになるので、脳出血に対しても予防効果があると考えられます。

③くも膜下出血
くも膜下出血は、動脈瘤異常という先天的なことが関わっている病気のため、糖質制限食による予防はあまり期待できません。ただし、死亡につながる脳血管疾患のほとんどは脳梗塞と脳出血が占めていて、くも膜下出血は割合が少ないです。(調べたら、2015年は脳血管疾患のうち、くも膜下出血は約11%でした。)

このように、日本の四大死因とされる全ての病気に対して糖質過剰はリスクとなり、糖質制限食が有効です。

次は『第4章栄養常識の変化』です。
第6章まであるので、半分まできました。

つづく

この記事を書いた人

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。