ブックレビュー「江部康二の糖質制限革命」10〜1日に食べる卵の数はもう気にしなくていい〜

第4章栄養常識の変化のつづきです。

前回、『食事の油が身体に悪いというこれまでの常識が誤りであった』とお話ししました。
世界の医学会では、「動脈硬化の危険を高めるのは脂質よりも糖質のとりすぎ」と考えられつつあります。

動脈硬化は糖質過剰で悪化する

何故、糖質をとりすぎると身体の脂質に異常がおこるのでしょうか

その理由はインスリンにあります。

インスリンは、「血糖値を下げる作用を持つ唯一のホルモン」ですが、その他にも実はさまざまな作用を持っていて、体内の代謝が不安定になります。

さまざまな作用のうちの2つ
◯血糖を体脂肪に変える
◯中性脂肪の分解をじゃまする

つまり、「肥満しやすくするホルモン」でもあるんですね。

糖質を食べると必ず食べた分だけ血糖があがり、その分だけたくさんのインスリンが必要になり、代謝が乱れて脂質状況を悪化させます。
糖質制限をすれば、血糖はあまり上がらないのでインスリンは少しで足りますから、代謝の乱れも起こらず、動脈硬化につながる脂質状況の悪化が起こりません。

動脈硬化は、食事の油ではなく、糖質の過剰で悪化します。

1日に食べる卵の数はもう気にしなくてもいい

卵は1日1個までと言われたこと、聞いたことありませんか?
卵は非常に栄養バランスのとれた食品ですが、コレステロールが多いので食べ過ぎたらいけないと信じられてきました。けれど、これは間違いだったことが証明されています。(このことについては、私も以前にコレステロールの記事で紹介しました。こちらです。)

そこで、2015年2月にアメリカでは栄養療法の指針が改訂され、食事のコレステロールについては気にしなくても良いことになりました。日本でも、その後、厚労省は「食事摂取基準」の2015年版で、コレステロールの摂取基準を撤廃しました。
今でも、卵は食べ過ぎたら良くないと思っている人は多いと思います。早く皆さんに正しい知識を知って欲しいですね。

タンパク質のとりすぎが腎臓に悪いという常識には根拠がない

今まではタンパク質をとりすぎると、腎機能に悪影響があると信じられていました。
しかし、これも、タンパク質のとりすぎが腎機能の悪化につながるという、確かな医学研究がなく、この健康常識も疑いの目が向けられています。そのため、厚労省は腎機能の正常な人について、タンパク質をとる量の上限を設けることを止め、2015年版「食事摂取基準」では、タンパク質の過剰摂取による健康傷害には十分な根拠はないとしました。
日本腎臓学会はまだ、腎機能に傷害のある人には「低タンパク食を推奨する」としていますが、この推奨には科学的根拠があまりないことを、学会が認めています。

実は、2013年10月に、米国糖尿病学会は栄養療法に関する声明の中で、
「糖尿病腎症に関しては低タンパク食を推奨しない」と言い切っています。

腎機能の傷害のある人には低タンパク食という常識も変わりつつあります。

第4章は次がラストです。・・・と思っていましたがあと2回に分けることにしました。
つづく

この記事を書いた人

なおこ

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。

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