コレステロールは細胞膜の大切な原料!〜コレステロールは悪者ではない!No.1

検証してわかったことを1回1テーマでお届けしていきます。

No.1 コレステロールは、細胞膜を生成するために必要な要素で、生きていく上で欠かせない重要な「脂質」の一種である。

人はたくさんの細胞でできていますが、コレステロールはその細胞膜を作る大切な原料です。
その細胞膜の中の特にコレステロール含有量の多い「脂質ラフト」という部分で、人間の生命活動にとって、化学物質,ホルモンなどのやり取り、シグナル受け渡しなど大変重要なことが行なわれています。
脂質ラフト中のコレステロール含有量が低下すると,体の様々な機能が落ち、感染症などの急性疾患から、糖尿病、高血圧、神経疾患などの慢性病まで様々な病気を生じる原因になります。

参照:正しい治療と薬の情報2012 vol.27 No.10より

コレステがん参照:http://www.med.nagoya-u.ac.jp/cel-bio/research.html

コレステロールって悪者のように言われていますが、実は細胞の膜を作る大事な原料なんですね!そしてその細胞膜上の、特にコレステロールがたくさん含まれている部分(脂質ラフト)で大切な生命活動のやり取りが行なわれている。

ということは、コレステロ−ル値が低すぎると、細胞膜が弱くなり(がんや感染症になりやすい)、大事な生体としての機能も低下して、他の疾患にもなりやすくなるということ。あと、ホルモンの原料でもあるので、ホルモンが十分作られず、ますます体の不調が生じやすくなるということ。

でも、実際は医療の現場では、LDL-コレステロールが140を超えると簡単に薬が出されること、少なくないですね。「食事療法(→実はこれも意味が無いことが分かってきています。後述します)や運動療法を実践してみてから、それでも下がらないなら薬を使う」ってことは医療現場であまりされていないです。

しかも、一旦出されるとそのままずっと基準値を下回っても、薬が出され続けること、とても多いです。低ければ低いほどよいという考えですね。これはとても良くない状態です。

つづく

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この記事を書いた人

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。