「コレステロールの薬、たのんで出してもらいました〜!」

63歳の女性の方が、血圧とコレステロールの薬の処方箋を持ってみえました。
コレステロールの薬が、今まで10mgだったのが、今日は5mg錠になっています。

「よかったですね。おくすりが少なくなりましたね!」と声をかけると、
「先生がね、もうコレステロールの薬は飲まなくていいって言うのよ。でも私が頼んだの。飲んでおきたいって。だっていろいろと安心でしょ?!これからだって上がるかもしれないし。」「そしたら、じゃあ1番小さいのを出しときますって、これを出してくれたの」

え〜!!

でもこんな患者さん、けっこういらっしゃいます。
薬飲んどけば、食事に気をつけなくてもいいから楽と思われるのでしょうか・・・。
(コレステロール値は、食事制限は必要ないのですが)
あと、予防のために飲んでおくという感覚みたいです。
薬には副作用があることに無頓着になりやすいんですね、きっと。これだけたくさんの人が飲んでる薬だと。

薬には添付文書という医療者向けの取扱説明書のようなものが必ず入っていて、それには「副作用報告」が載っています。そこには、これでもかという数の副作用が載っています。もちろん、重大な副作用から、なんとか対応できる便秘とか肩のこりというような軽い副作用まで。また、5%以上の人に起こるものから、0.1%未満のもの、頻度不明のものまで・・・。
頭痛、湿疹、不眠のような自覚症状がある副作用から、自覚症状はないけど血液検査でわかるものまでいろいろです。

この「患者さんが添付文書を見ること」は医療者の中では、賛否両論です。
賛成意見は「薬局でお渡ししている薬剤情報文書では、十分な情報を網羅できているとは言えず、患者さんが情報を得ることを妨げることはよくない。今では、インターネットでも簡単に入手できるのが現状」
反対意見は「添付文書は、医療者向けの情報のため難解な用語も多く、患者さんが正確に理解することは難しく、誤解を生じて、自己判断で、調節・中断することが心配される」つまり、添付文書を見たら、必要な大切な薬まで、飲みたくなくなってしまったら困るからということですね。

確かに、必要以上に過敏に反応してしまわれる方もいらっしゃるので心配ではありますが・・・。
お薬大好き国民と言われている日本では、日本全体がお薬の副作用に対する認識が甘い方だと思いますので、一度参考までに見てみることをお勧めしたい思います。

インターネットでは、薬の「名前」と「添付文書」の単語を入れて検索すると出てきます。
または、
Pmda(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)のホームページの中に、
一般の方向けのページがあり、「患者向医薬品ガイド」がわかりやすいと思います。

ただし、添付文書と違って、こちらには「重大な副作用と、それぞれ主な自覚症状」だけが載っており、自覚症状のない、血液検査でわかるような副作用については載っていません。

ということで、
この患者さんには、
・そもそも、コレステロールは体にとって大切な成分であること。
・低すぎると、しっかりした細胞膜ができにくく、またホルモンを作る成分でもり、体の様々な働きが落ちて、免疫力が落ちたり、がんになりやすくなる可能性もあること。
・そして、このコレステロールの薬(スタチン系剤)自体に、いろんな気になる副作用があり、糖尿病やがんを増やすという研究報告も出ているので、飲まないに越したことはないこと。

など、お伝えしました^ ^

そしたら、患者さんから、さらに新たな情報が・・・。
「実は、今、がんのステージⅠと言われてるんです」と。治療は受けてないと仰るので、詳しいことはわかりませんでしたが、「それならば、なおさらこのお薬はやめておいたほうがいいですよ」とお話ししました。

「そうなんですかーー。もうこの薬はやめときます。次回先生にも、先生の言う通りに止めることにしましたと話します。」

とおっしゃって帰って行かれました。

まとめ

お薬は、必要があって短期間飲む分はそれほど心配されなくても良いと思います。
もちろん、短期間でも、薬疹が出たり、ムカムカ、胃痛などの副作用が出ることはありますし、その時はすぐ対処しないといけませんが、そのほうがむしろわかりやすく対処しやすいです。

数ヶ月飲み続けて出てくる副作用も多く、薬の副作用と気づきにくいものもあります。
大体は半年以内や1年以内に出なければ、もう出ない副作用も多いのですが、中には数年経ってから出るものもあります。

なので、一番いいのは、必要最小限に飲もうと心がけること。
基本は、症状がなくなったら、医師にも報告して薬をやめてもらうこと。
もちろん、症状がなくなっても飲み続けたほうが良いケースもあります。
病気の重要度にもよりますので、きちんと医師から納得いく説明を受けてくださいね。
できれば、医師と薬剤師と両方から聞いてみてください。

コレステロールに関する記事はこちら↓

コレステロールは細胞膜の大切な原料!〜コレステロールって下げた方がいいの?No.1

スタチン剤ってそもそもどんなくすり?〜コレステロールって下げた方がいいの?No.11

この記事を書いた人

なおこ

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。

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