スタチン剤ってそもそもどんな薬なのか?減るのはコレステロールだけじゃない?!〜コレステロールは悪者ではないNo.11

11.スタチン剤(=コレステロール低下剤)ってそもそもどんな薬?

実は、身体に必要とされるコレステロール(約1g/日)うち、3 割前後は食べ物から得られ、7 割前後は体内でつくられています。

スタチン剤は、どのようにして血中のコレステロール値を下げているのでしょうか?

スタチン剤作用機序

http://d.hatena.ne.jp/nishionishi/20070226

上の図のように、コレステロールが体の中でアセチルCoAという物質から作られる経路があるのですが、スタチン剤は、その途中をブロックすることで、コレステロールの合成を抑えて、コレステロール値を下げます。けれども、その経路は同時に、サプリメントとしても流行ったコエンザイムQ(ユビキノン:エネルギーを生み出すのに必須)やドリコール(細胞の機能に重要な役割を持つ糖タンパクの糖部分の原料)のような生命活動に大切な物質の合成経路でもあるため、コレステロールだけでなくそれらも合成が抑えられてしまいます。そのため細胞活動全般が低下し、免疫、神経、ホルモンなどに影響します。

つまりスタチン剤は、それ自体が体の免疫力を落とし、感染、発がん、中枢・末しょう神経障害などを起こす可能性のある薬剤であるといえるのです。

参照:「薬のチェックは命のチェック」48
http://www.npojip.org/contents/book/mag048.html

つづく

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この記事を書いた人

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。