〜薬剤師の一日〜
その患者さんが,うちの薬局に来られたのは2回目でした。
狭心症のお薬が一つだけ出されています。
前回と同じ薬です。大きな病院で心臓の詳しい検査を受けられて、初めて追加された薬でした。
今日はお薬手帳を持ってきてくださったので、元々飲んでいる血圧の薬やコレステロールの薬の具体的な名前が確認できました。近所のかかりつけ医でずいぶん前から飲まれています。
前回は、お薬手帳を持ってこられなかったので具体的に確認できなかったのですが、「病院ではきちんと医師にお薬手帳は見せたから大丈夫、医師は何を飲んでいるのか分かっている」とおっしゃったので、そのままお渡ししたようです。
ところが、今日お薬手帳を見てみると、
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同じ系統の薬が3つ重なっている
ことが分かりました。
狭心症や高血圧に使われる「カルシウム拮抗剤」という種類の薬です。
本来は1種類か、たまには2種類までは出される医師もいらっしゃいますが、3種類出されるケースはまれで、中止になるか他の薬に変わる可能性が高いです。本当に他の併用薬を医師が把握されているか疑問でしたので「疑義照会」(医師に確認をとること)しました。
その病院は、疑義照会はFAXですることになっているので、FAXしたところ、「中止してください」と返事が返ってきました。理由は何も書かれていませんでしたが、おそらく把握されていなかったと思われます。
そこで、患者さんにそのように説明したところ、「えー、この前お薬手帳を見せたんだけどな。確かに良く見ずにポンとその辺におかれたな。」「先生によって、ちゃんと見てくれる先生と、見もせずにその辺に置く先生といるよ。」と。
今回は3種類重なったからといって、すぐに大変なことになるような薬ではなかったので良かったです。でも、血圧が下がりすぎる可能性は十分ありましたが、それも無かったようで本当に良かったです。
実はこんなケースは決して少なくありません。
続きはまた次回・・・
次回はこのエピソードで薬剤師として思うことを書いてみます。
何らかの気づきがあったと言っていただけたら嬉しいです。
続きはこちら 手帳その2