前回はこちら。
今日から第4章です。
「第4章 栄養常識の変化」
世界の栄養常識は急激に変わりつつあります。
今まで信じられていたけれど、近年になって誤りだったと分かった健康常識
①カロリー制限説・・・カロリーの摂りすぎが肥満をはじめとする生活習慣病を増やしている。カロリーを減らせばやせて、生活習慣病が治る。
②脂質悪玉説・・・肥満や糖尿病などの生活習慣病の一番の原因は脂質。特に動物性の脂質が悪い。
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まず
①カロリー制限説はまちがいだった
糖尿病の治療でも、かつてはカロリー制限説が常識で、専門医はカロリー制限の食事を指導してきました。しかし、カロリー制限では思ったように改善しません。今まで説明してきたように、カロリー制限よりも糖質制限のほうが有効であることがさまざまな研究により明らかになりました。
②脂質悪玉説は間違いだった
・2008年「JAMA」(アメリカの権威のある医学専門誌)に掲載された論文より 5万人の女性、半分は通常の食事、半分は低脂肪食、8年間の研究において、心血管疾患になった人の数は変わらず、大腸がんや乳がんも減りませんでした。
・2010年の非常に信頼性の高いとされる研究において、21の論文のデータをメタ解析という手法で研究したもので、飽和脂肪酸(動物性脂肪に多く含まれている)の摂取量と脳・心血管疾患の起こった率とには関連がなかったとしています。つまり、動物性脂質が心筋梗塞に悪いというイメージは完全に間違いだったと証明されました。
・2006年「ニューイングランド・ジャーナル」に掲載された論文において、低脂質食と高脂質食とを比べても冠動脈疾患の発生率に変わりがなく、糖質をとる量が多いと冠動脈疾患のリスクが中程度増加したという結果が出ました。
つまり、脂質を減らしても心筋梗塞は減らず、むしろ糖質を増やすと危険が中程度高くなることが分かりました。
他にも、低脂質食が総コレステロール値に影響がない、総コレステロール値が低いほど死亡率が高いなど、これまでの常識をくつがえす研究結果が次々と出ています。
最新の医学研究によって「食事の油が身体に悪い」というこれまでの常識が誤りであったことが明らかになりました。
第4章つづく。
ちなみに、写真は、昨年訪れた、カナダのバンデューセン植物園のキバナフジです。本当に素敵な植物園でした。
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