前回、乳がんとわかってからの経緯を少しだけお話ししました。
続きです。
ネットで、いろいろと調べました。患者さんの書かれたブログもたくさん読みました。本も何冊も読みました。必死で情報を集めました。
そして、わかったこと。
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手術の全摘、温存について
注)下記の情報は11年前のもので、今では日本でも温存療法がしっかりと主流なはずと思います。あるいは多様化している?
・日本ではつい最近まで、胸を「全摘」注1)するケースがほとんどだったが、欧米では、全摘しても生存率に変わりがないことから、「温存療法」注2)が20年も前から主流となっており、乳がん患者の会と放射線科医である近藤誠先生の尽力で、現在日本でもようやく温存療法が広まり始めている。
・病院によっては、まだ全摘が主流で、進んでいる病院でも50%前後。どちらをおこなっているか、また症例は年間どのくらいあるかを調べて選んだ方が良い。
・現在過渡期であり、患者からの要望が増えて「温存」に急遽切り替える病院が増加する中、実態は「温存」とは名ばかりの、術後の傷跡がひきつれて酷い例も多数、患者さんから情報が寄せられている。
ここで、注1)全摘とは「胸の胸筋は残して全体を切除する手術」、
注2)温存療法とは「乳房もできるだけ残しがんの部分だけくり抜く手術」。
抗がん剤について
・これは大変デリケートな問題で、簡単に書くことはできませんが、あくまでこの時の私の理解ということで書きます。
私は改めて「抗がん剤」というものについて、ネットや本で調べました。それまでの私は、副作用などで、問題はたくさんあることは十分知っているつもりでしたが、そうは言っても、「がんを治すもの」だと思っていました。
ところが、突き詰めていくと、ほんの一部の血液のがんなど抗がん剤が効くがんもあるものの、基本的にはがんを治せないものだと、はっきり知りました。抗がん剤自体に発ガン性もあります。自分の今までの患者さんへの応対を思い起こしてなんとも言えない気持ちになりました。薬剤師でありながら、こんなことも知らなかったと。詳しくは、また後日改めて、アップできたらと思います。
私は抗がん剤は使わないと決めました。
特に参考になったのは、近藤誠先生の本です。
近藤先生とは真反対の意見の医師の本も読みましたが、納得いくのは、近藤先生の本でした。
経緯のつづき
◯2006.07.21
傷跡がほとんど残らない綺麗な手術をされると評判の福岡の病院を受診。ちなみにどこの病院でも、そうでしたが、前の病院からいくらCTやMRIのデータをもらって持っていっても、そこそこの病院でその度に検査をやり直しました・・・。
で、医師と、手術・治療の話になった時に、「私の場合は、早期ですし、抗がん剤を受けないこともできますか」「できれば受けたくないのですが」と相談すると、即答で「そのような勝手なことを言うのなら、他所に行ってください」と非常にきつい言葉が返ってきました。インフォームドコンセントは存在しない病院でした。で、診察室を出て座り込んでいると看護師さんが親切に説得に来られました。が、この医師の元で治療を受けてもあとあと後悔すると思いました。この医師に手術は受けたくないと思いました。しばらく考え、東京の近藤誠先生を受診しようと決心しました。まさか、東京まで行くとは自分自身思ってもいませんでしたが、相談した夫は、「行っておいで」と即答でした。
ありがとう。
◯2006.07.26
慶應義塾大学の近藤誠先生受診。
「ステージⅠで、温存手術と、その後の放射線照射をすれば、抗がん剤もセンチネルリンパ節生検も必要ないでしょう。」と。近藤先生は放射線科医なので、手術はされません。湘南の外科医の医師を紹介していただき、鹿児島から来ていたので、その同日に診察に行けるよう手配していただけました。そして、「温存療法で十分」とそこでも説明していただき、8/24の手術の予約まで済ませ、鹿児島に帰って来ました。
また、乳房温存療法は、術後に乳房全体に広く薄く放射線を25日間照射するのがセットなのですが、近藤先生から、「できれば、少し遠いかもしれないけど、鹿児島市内の植松医師のところで受けた方が良い」と勧められました。私は自分の職場が総合病院の門前の薬局だったので、そこの放射線科で受ければいいと思っていました。
何か違いがあるのでしょうか。
質問したところ、植松先生の放射線照射は、より適切に正確に胸に照射できるので、通常の放射線科よりもそちらを勧めたいとのことでした。そこで、植松医師のUAS オンコロジーセンターに、術後の放射線照射を申し込んだことから、「明るいがん治療」との出会いが始まります。
次回へつづく。
*この5回シリーズの「まとめ記事」もあります↓
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