かくれ糖尿病とは〜健診では見つからない!〜市販の尿糖試験紙でチェックしよう!

友人から質問がありました。

かくれ糖尿病が心配なんだけど、どうしたらいいかな?

かくれ糖尿病とは

皆さんは年に1回の健康診断を受けてますか?
そのチェック項目の中に「血糖値」と「グリコヘモグロビンHbA1c」の2つがあるのですが、見たことありますか?

・「血糖値」・・・血液をとった時点の血液中のブドウ糖(血糖)の濃度
・「グリコヘモグロビンHbA1c」・・・「タンパク質(ヘモグロビン)にベタッとブドウ糖がくっついたもの」がどのくらい血中にあるか、約2ヶ月間の平均値

血糖値が110以下でグリコヘモグロビン(以後はHbA1cと表記)が5.8以下であれば、「正常です」「A」となります。

ところが、実はこの中に「糖尿病予備軍」、あるいは「軽い糖尿病」の人がかなり含まれていることがわかっています。健診が、この糖尿病予備軍や軽い糖尿病の人を完全には見つけられないことが、今大きな問題になっていいるのです。予備軍であるうちに糖質制限食を緩やかにでも始めれば、糖尿病を発症せずにすみます。または軽い糖尿病のうちであれば、糖質制限食にすることで疲弊した膵臓のβ細胞(インスリンを出す)が復活するかもしれません。だからこの段階で、見つかることがすごく大事なのにもかかわらず、健診で漏れている人がたくさんいるようです!

かくれ糖尿病の人の特徴・健診で見逃されるわけ

かくれ糖尿病の人の特徴は、「食後高血糖

通常、健常者の場合はいくらがっつりと炭水化物やスイーツを食べても血糖値が140を超えません。ところが、食後に140を超える高血糖(血糖値スパイク)があるような人は、たとえ2時間後には正常値まで下がるとしても、今までの普通の食生活をそのまま続けていると、そのうち糖尿病を発症する可能性が高いです。

そのような人は、健診では空腹時血糖値(朝食抜きで測る)は正常なので、見過ごされます。
また、食後2時間経った時は、140以下に下がっていて、それ以外の時は血糖値も正常だったりむしろ低めだったりするので、1〜2ヶ月間の平均値であるHbA1cは 5.8以下になり、こちらでも引っかかりません。

この、「空腹時血糖値は正常で、食後高血糖を起こす」のは日本人に多いタイプだそうです。
インスリンは普通に働いているけれど、炭水化物をたくさん食べた時に追加されるインスリンが少ないか、追加されるのが遅いというタイプです。

では早期発見のためにはどうするか?

尿糖を調べるのが簡便でオススメ!

本当は、一番いいのは食後の血糖値を測ることですが、高価な測定器が必要で、現実的ではありません。

そこで、血糖はある程度の数値(160〜180mg/dlくらい)を超えると尿中にでてくるので、食後の尿糖を測ることによって、簡易的に食後の血糖を測定することと同じ効果が期待できます。

<尿糖の検査のやり方>

①一般の薬局で売っている尿糖試験紙 「新ウリエースGa」を購入する。
②デンプン(糖質)一人前を食べ始めて1時間後、尿糖試験紙に尿をかけたりコップに貯めた尿に浸して、尿糖を調べる。
③尿糖が陽性の場合、「180mg/dlを超える血糖値があった可能性が高い」ので、病院で尿糖が出たことを伝えて詳しい検査をしてもらう。

【第2類医薬品】新ウリエースGa 30枚
テルモ
売り上げランキング: 1,295

↑一般の薬局には、10枚入りも売っているようです(約700円)

尿糖に陽性が出た人たちを詳しく検査した結果、その約半分近くの人が予備軍か、軽い糖尿病であったという報告があります。
もしも尿糖が陽性で、その上予備軍とかがわかっても、この段階なら緩やかな糖質制限食を始めれば、糖尿病発症は防げると思いますよ。そして、糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が必須でしょう。

以上、江部康二先生のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を参考にさせていただきました。
とても詳しく載っています。

わたしの場合

もう、何度かブログで書きましたが、何を隠そう私も今年の初め『リブレ』(自動血糖値測定器)をしたことで、発覚しました。予備軍が・・・(涙)
最初はピンとこなかった。まさか自分が予備軍とは思ってなかったので、へー、健常者でも200以上になることあるんだ〜くらいに思ってて。でも、2時間後も140以上ある時もある!あれ?あれ?これは立派な予備軍!!
衝撃でした。夫と一緒に糖質制限やっててよかった。もし普通食でやっていたら今頃発症してたかもしれない。よく考えると母も弟も糖尿病です。母は妊娠糖尿病がきっかけで、弟は太り過ぎたから・・・と思って油断してました。ずっと太ったことなくて、今もむしろやせてるくらいなので、まさかと思ってました。素因が十分あったんですね・・・。みなさんも、ぜひ一度チェックしてみてください!

*リブレについてはこちら↓

この記事を書いた人

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。