コレステロール値が低いときの肝がんへの影響(追加情報)〜コレステロールは悪者ではない!No.15

コレステロール関連の追加情報です。
今日は、「薬のチェックは命のチェックNo.48」 の浜六郎医師の記事「低コレステロールで肝がんに!」を紹介します。

コレステロールが低いとC型肝炎ウイルスが肝臓の細胞に入り込みやすく、肝炎にかかりやすい。

どういうことかというと、

C型肝炎ウィルスは血液中で漂ったあとに、肝細胞内に侵入しますが、この時に主にLDLコレステロールの受容体(受け入れるところ=入り口)から侵入するのです。

動物実験で、C型肝炎ウィルスを感染させる際に、LDL-コレステロール値が低い状態では肝細胞内のC型肝炎ウィルス量が多くなり、LDL-コレステロールを投与するとウィルス含有量が減ることが証明されました。
つまり、LDL-コレステロールがたくさんあることが、C型肝炎ウィルス感染を予防しているということです。

参照:「薬のチェックは命のチェックNo.48」p25

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上の絵のように、LDL-コレステロールの受容体がLDL-コレステロールでふさがっていれば、C型肝炎ウィルスは、入り込めなくなりますね。

このようにして、低コレステロールの人は、C型肝炎ウィルスに感染しやすく、急性肝炎⇒慢性肝炎⇒更に悪化して肝硬変・肝がんへ。そして死亡率も高くなります。

ほかの感染症にもかかりやすい!

LDLコレステロールの受容体を侵入経路にしているウィルスは、C型肝炎ウィルスだけでなく、ほかにもあります。実際、総コレステロール値が低い人は感染症にかかって入院する人が多いということが疫学調査の結果からも分かっています。

参照:「薬のチェックは命のチェックNo.48」p26

つづく。

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この記事を書いた人

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。