糖質制限のあゆみ〜江部康二先生より〜

平成29年9月23日「女性と子供の食事栄養」 (江部康二先生&三島学先生&奥平智之先生)という勉強会に参加してきました。そして、そのうち、すでにご紹介した奥平先生のお話は、「うつと鉄欠乏と高血糖」、三島学先生のお話は「子供の食事栄養(糖質制限)

今回は、江部康二医師の「糖質制限のあゆみ」です。

江部康二先生ご自身の紹介

現在、 67歳。京都高雄病院医師。
○1999年、高雄病院に兄の江部洋一院長が「糖質制限食」を導入。
けれども当初は江部康二先生自身は糖質制限食に懐疑的で、傍観。
○2001年、何をやっても血糖が改善しなかった患者さんが糖質制限で劇的改善したのをきっかけに糖質制限に本格的に取り組む。
○2002年、自ら糖尿病であると発覚し、スーパー糖質制限食実践。
○2017年現在、スーパー糖質制限食15年間継続中。
同級生の中でも、眼、歯、耳、身長、夜間尿など様々な点で、より健康維持とのこと。

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インスリンは肥満ホルモン!


肥満させるのは、インスリンインスリンを出させるのは糖質のみ脂肪は無実。
太りたくないからと油物を制限し、ご飯、パン、麺は普通に食べている人多いですが、逆なんですね。
糖質(ご飯、パン、麺、砂糖)を制限して、脂肪は普通にきちんと摂った方が良いようです。確かに摂りすぎるとやせにくくなるので、摂りすぎには注意必要。


↑「タンパク質は50%、脂質は10%が血糖に変わる」というのは間違いということがわかり、「血糖を上げるのは糖質のみ

米国糖尿病学会が「糖質制限食」も受容

↑2011年には肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認していた米国糖尿病学会(ADA)も、2013年ガイドラインでは、期限や限定なしで、糖質制限食を容認。

糖尿病合併症について。日本と米国

↑日本糖尿病学会の「食品交換表」では、今も基本は「カロリー制限食」推奨しており、糖質60%、脂質20%、タンパク質20%という総摂取エネルギー比率を勧めている。そのため、日本の多くの病院では、糖尿病患者さんの入院中も、今も60%のエネルギーを糖質で供給しているのが現状。
しかし、合併症を減らすことはできていない。
ちなみに「スーパー糖質制限」は糖質からのエネルギーを20%以下にするもの。


↑米国では、糖質制限食の推進が、合併症の減少につながっているのではないでしょうか。

日本での糖質制限の普及と書籍


↑日本糖尿病学会知事長の門脇孝医師は、東大病院において、2015年より糖質からのエネルギーを40%に下げている。
日本糖尿病学会も徐々に変わりつつある!?

ケトン体は安全


↑「糖尿病ケトアシドーシス」とケトン体高値が混同されて、怖がられていたが、
ケトン体が高い状態、生理的ケトーシスはよく見られる現象。胎児、新生児においては、ケトン体高値が当たり前であることがわかった。

まとめ

糖質制限食の広がりは、徐々に加速しているようです。

*以前の記事、「江部康二の糖質制限革命」のブックレビューはこちら。

この記事を書いた人

なおこ

京都市内在住の薬剤師です。
仕事の中での気づき、想うこと、服薬ケア研究会での深い学び、糖質制限食などの食に関する学びや私なりの知見を発信しています。
好奇心旺盛、学ぶことが大好きなので、その他にもいろんなテーマで誰かのお役に立てそうな情報も発信中。