13.まとめーここまでで、わかったこと
- コレステロールは下げなくていい。
- 高いほうが元気で長生き。少なくとも高齢者、女性にはコレステロール低下剤は不要
男性においてもLDL-C(悪玉コレステロール)≧190mg/mlの診断基準で十分である。 - スタチン剤(コレステロール低下剤)は飲まないほうが良い
- 但し、家族性高コレステロール血症の人は一応コレステロール低下剤で数値を下げたほうが良いとされている。しかし最近の研究結果では薬でコレステロール値を下げても、心疾患を減らすことができないことが分かってきている。
繰り返しになりますが、 世界では随分前から、女性にコレステロール低下薬が不要なことや 、高齢者では高コレステロールのリスクが減少することが知られており、2010年 11 月にシカゴで開かれた米国心臓病学会大会(AHA Scientific Sessions 2010)でも「スタチン剤は 悪玉コレステロールを下げるが心血管系疾患イベントを減少させない」ことを前提として議論が行われていたそうです。
ところが、日本では2015年の現在でもコレステロール低下薬の服用は女性のほうが多く、しかも70歳以上の女性では20%を超える人が服用しているという状態が続いています。
また日本の公的医療制度が経済的破綻に瀕しており、厚労省は医療費削減の対策を様々高じている中で、コレステロール低下薬に年間3000億円近くが使われ、診察料と検査料を含めるとその医療費は9000億円と推計されているそうです。(現在はジェネリック品にかなり置き換わったので多少下がっていると思われますが。)
今後は、必要の無い人達へコレステロール低下薬を処方するという無駄で危険な医療を早く訂正していただきたい。そして、製薬メーカーの方々は早くコレステロール原因説から抜け出して、新しい原因を研究し,心臓病や家族性高コレステロール血症の方々を救ってほしいです。
私たち国民も、たとえ国が勧める診療ガイドラインの基準であっても、おかしいことがあり得ることを認識し、お任せでなく自分自身でも情報を集め、自分の体は自分で守るという意識改革が必要です。
◯その他の参考文献
・日本動脈硬化学会への提言2014/8
・日本人はLDL-Cが高い方が長生きする
・長寿のための コレステロール ガイドライン
・日本脂質栄養学会HP(コレステロール論争資料)
次回は、お約束していた「厚労省がコレステロールの摂取基準を撤廃した件」について
つづく〜
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